どうも、カラスのカットマンです
さて、卓球においてカットマンというのはアマチュアに人気のある戦型ですが、その中でも「表カットマン」と呼ばれる人たちが存在します。通常は粒高を使用する事が多いカットマンですが、なぜ表ソフトを使うのか。そのメリットやデメリット、表ソフトの特性にいたるまで詳しくみていきたいと思います
表カットマンになろうかと考えているあなた、もしくはすでに表カットマンをしているあなた、「表カットマンとは?」という魅力的な題材について今一度考えてみよう!
目次
表ソフトの特徴を知ろう
まずは表ソフトの特徴から簡単に見ていきましょう
・球離れが早い⇒球を持ちにくい
・回転の影響を受けにくい⇒回転をかけにくい
この2点が大きな特徴といえます。表ソフトというのは裏ソフトと違って表面が凸凹してます。ボールとの接触面が裏ソフトよりも少ないため球を持たずに早く飛び、かつ回転の影響を受けにくいという事ですね
縦目と横目の違いを理解しよう
表ソフトには縦目と横目があります。それぞれの特徴としては、
縦目
・表らしい表
・球の飛び出しが早く、回転の影響を受けづらい
・ナックルが多く出る。スマッシュや角度打ちに最適
・粒の形は「円柱」「円柱+円錐台」など
横目
・マイルドになった表
・少しだけ球持ちがよく、回転をかけやすい
・ナックルは出しにくい、ドライブやツッツキで回転をかけやすい
・粒の形は「円錐台」
といった感じになります
こちらは縦目のインパーシャルXBという表ソフトラバーですが、縦に粒が真っ直ぐ並んでいるのが確認できるかと思います。このようにラケットを立てて粒が真っ直ぐ並んでいるものが「縦目」です
こちらは横目のスピンピップスD3です。今は縦に見ているので粒が真っ直ぐに並んでいません。が、ラケットを横にした場合に粒が真っ直ぐ並んでいます。これが「横目」です
縦目と横目の意味

表ソフトの種類を知ろう
表ソフトには大まかに分けて3つの種類があります
スピード系
球離れが非常に早く、攻撃に秀でた表ソフト。縦目が多い
スペクトルなどが有名で、中国カットマンのほとんどがこのスペクトルを使用
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回転系
回転をかける事に秀でた安定重視の表ソフト。横目が多い
スピンピップスシリーズが有名だが、インパーシャルXSという裏ソフト並みに回転のかかる怪物ラバーも存在する
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変化形
粒高と表の中間的存在。縦目、横目それぞれ存在する。粒高の技術を使えつつも表ソフトのように弾く事も可能
アタック8、ドナックルなどが有名
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カットマンとして表ソフトを使うのであれば、自分自身のプレイスタイルに上記の特徴を当てはめてみて、どれが一番合っているかを考えてみましょう
表ソフトの種類によるカットマンの戦型
スピード系、回転系、変化形の表ソフトにはそれぞれの個性があります。カットマンとしてそれらを採用した時にはどういったメリットやデメリットがあるのか見ていきましょう
スピード系表のカットマンの場合
スピード系は制御が難しい場合が多いのですが、その分球速がありつつ直線的なカットを送る事ができます。加えて、このスピード系表でのカットは総じて回転が分かりづらく、相手としては非常にやり辛いといったメリットがあります
また、回転系ほどではありませんがある程度は回転をかける事ができ、ナックルと回転の差分で相手を揺さぶることができます。しかし、カットにおいて相手のボールの威力を吸収する技術が必要になります
バックハンドで積極的に攻撃することもできるので、「回転わかり辛い、いきなり攻撃が飛んでくる」と相手にとっては一番いやらしい表カットマンになります
回転系表カットマンの場合
回転系の魅力は何よりその安定感です。そこそこに回転もかかりかつボールは飛びすぎずといったマイルドな感じで、ナックルもスピード系に比べると出し辛い傾向があります。相手にとっては返しやすい「綺麗な球」になりやすいですが、それはこちらにとっても「コントロール性能が良い」という事でもあります
レシーブ時には相手の回転の影響をそれなりに受けてしまいがちなので、レシーブ技術が必要になってきます。しかし裏よりは全然楽です。流し、チキータ、フリックなどそれなりにこなす事ができます
回転系とはいえど技術が向上していけばナックルも出せるようになりますので、ナックルとそれなりに回転のかかったボールで相手を揺さぶる事になるかと思います
変化形表カットマンの場合
変化形表は一番防御よりで、カットや台上の技術が非常にやり易いといったメリットがあります。とくに粒高の特性が混じっている分レシーブにおいては抜群の安定感です
ただ粒高の特性を受け継いでいる分ツッツキが切りづらいという点が気になります。それをカバーするためにフォア側のラバーでツッツキする反転技術や粒高でのプッシュなどの技術を用いて、相手に的を絞らせずツッツキをチャンス球にさせない工夫が必要になります
また、カットの回転量も相手に依存する傾向がありますが、粒高よりかは自分である程度回転をかけることができるのも変化表のメリットです
スポンジの厚さを考えよう
次に考えるのはスポンジの厚さです。あまりラケット全体が重くなるとカットスイングが遅くなるので「ox~中」までで考えた方が良いです。その上で自分のプレースタイル、カットの抑えやすさ、ラケットの合板構成などをふまえて考えていきましょう
スピード系の表ソフトの厚さ
例えばですが、スピード系表ではスポンジが高弾性であることが多いのであまり厚くしすぎるとカットの制御がより難しくなります
なので飛ばないラケット+スピード系表(薄~中)あたりがベストな組み合わせになるかと思います。
回転系の表ソフトの厚さ
回転系の場合はスポンジがそこそこに飛ぶマイルドな感じが多いですが、スピンピップスD3のようにスポンジが非常に柔らかく、強打を吸収してくれるカットマン用の表ソフトもあったりします
組み合わせとしてはカット用ラケット+回転系(薄~中)あたりが良さげな感じです
(ちなみにスピンピップスD3は薄だとすぐに板に当たって結構飛ぶので、使うのであれば中一択です)
変化形の表ソフトの厚さ
変化形表の場合は飛ばないので、攻撃用ラケットに使用してもカットマンのような立ち回りができます
プッシュなどの台上技術が攻撃的になるので、そういったシェーク粒スタイルも目指している方であれば攻撃ラケット+変化表もありかなと思います。ただ通常の組み合わせとしてはカット用ラケット+変化形(ox~中)になるかと思います
薄ければ薄いほど台上重視になり、厚くなるほどカットor後ろへ下がった時のボール処理重視になります
まとめ
表ソフトカットマンは一癖も二癖もある戦型ですが、実際やってみるとその器用さや攻撃力の高さに驚くかと思います。粒高などは粘るのには向いてますが、相手の回転に影響される部分が大きすぎるため、ナックルボールで対策されたり回転を把握されやすいのどの弱点があります。なのでフォア側ラバーでツッツキやカットをするなどの細工が必要になるわけですね
しかし、表ソフトの場合は反転させずとも変化をつける事ができるので、私のような「反転めんどくせぇっ!」ってカットマンにも非常に向いていたりしますw
また、表ソフトも感覚に慣れてくると相手のドライブ回転を利用して自分のカットスイングを足してぶち切れカットをだせたり、表面の粒で滑らせて回転をのこしつつ流したりと、本当に小技や感覚の技が活きてきます。これは粒高にはできません
今回の記事で少しでも表ソフトカットマンやろうかな?と思っていただけると筆者冥利に尽きるのであります。という事で今回はこのあたりで失礼いたします